☆前年11月~2月
○荒起し(あらおこし)田起こし とも云う
前年の秋に収穫を終えた田んぼをトラクターで耕します。
稲の根の働き(養分や水分を吸収する)を良くする為に土を徐々に細かくしていきます。
水がない状態の田んぼを3回耕します。
私(斎藤)とトラクター
☆3月~4月
○畦塗り(あぜぬり)
田んぼの土を、田んぼを囲んでいる畦道に機械で寄せ集め、壁を塗りつける作業です。
田んぼに水を入れた時に、漏れないようにする為です。
畦塗機械
○肥料散布
稲を丈夫に育てる為に必要とする成分を含んだ肥料を与えます。
肥料散布
○播種(はしゅ)種まきです。
その前に、病気や害虫の卵など付着しないよう種子消毒をします。
※齋藤農園では、薬剤に頼らずお湯で消毒(温湯消毒)を実施しています。
播種機(全自動)を使って、育苗箱に土を入れ均一に適量の種を蒔きます。
その後、専用のビニールハウスで約一ケ月間苗を育てます。
温湯消毒
「侵種・催芽」作業
発芽直後の苗
○用水路の整備
近隣の耕作者(水利組合員など)が集まって、
共同で田んぼにスムーズに水が入るように用水路のゴミや堆積した土などを取り除く作業をします。
排水路整備
○代掻き
このタイミングで田んぼに水を入れます。
田んぼを平らにしたり、土に粘り気を与え田植えをしやすくします。
田んぼに水が入ったところ
☆5月
○田植え
斉藤農園では、5月上旬 ゴールデンウイークに田植えをします。
田植えと稲刈りの時期は農家では最も忙しい時期なので、会社勤めをしている若者の力をあてにしている事も、正直なところです。
家族や仲間の皆さんが集まっての作業は、結構楽しいものです。
スタッフの皆さん
☆6月~8月
○水管理と草刈
田植えが終わると、収穫まで管理をするだけになります。
見沼田んぼ全体が、美しい緑につつまれ農道を散歩する姿を頻繁に目にするのも、この時期ですね。
私は、6月下旬の田んぼが一番好きですね・・・。
水の管理、つまり水位の調整と水漏れのチェツクです。
この時期、ザリガニがたくさん増えて畦道に穴をあけて水漏れをおこしたりします。
ですから畔塗り作業の大切さがこの時わかります。
田んぼの雑草(ヒエやホタルイ・コナギ)が生えてくるので、専用の除草機を使ったり長靴を履いて田んぼの中に入って、手作業で取り除きます。
畦草刈りは、3~4回程度行います。この頃から気温の上昇と雨で草の成長がとっても速いんです。
熱射病にならないよう気遣いながらの作業が続きます。
7月下旬 稲穂がそろそろ顔をだします。
地域の皆さんと共同で草刈作業
☆9月
○稲刈り
9月1日を目安に収穫するようにしています。
3条刈りのコンバインで稲刈りをしますが、雨降りが続いたりして水はけの悪い田んぼは機械がもぐってしまいちょっと危険を覚悟での作業です。
1日5反(50アール)を目標に雨さえ降らなければ毎日刈り取ります。
コシヒカリは、刈取りのタイミングも食味に大きく左右すると言われています。
コンバインで稲刈り作業
○乾燥・籾摺り(もみすり)
刈り取った籾を乾燥機に入れ、水分14、5%になるまで乾燥(お米は長期保存するものなので)します。
24時間体制で、籾の乾燥具合をみていなければなりません。機械の具合が悪くなると一苦労です。
籾摺り(籾を玄米にする)は、刈り取った翌日の午前中にします。稲刈り班と籾摺り班とに分かれて作業する為、数名のスタッフが必要となります。
籾摺り
☆稲刈り以降~
○精米
玄米には害虫(特にカメムシ)によって米が固まっていない液状の時に汁を吸って、その結果米に黒い斑点ができてしまいます。見た目が悪く、食味も落ちてしまいます。
色で選別する色選機でふるい落とします。
その後、精米機で綺麗にしてから割れ米などと取り除く機械を通して美味しいお米の完成です。